「思われる」の御主人様はだあれ?
体感的な話だが「〜だと思われる」という発言をよく聞く。
例えば「これから景気は悪化すると思われる」とか。
これの主語は何だろうか?
まず「思われる」の使い方を調べよう。
受け身、自発、可能、尊敬の4つらしい。
ここで「Aさんは人気者だと思われる」という文章はどれに当たるのか考えてみよう。
行動に関する話ではないから、可能ではない。
Aさんが自画自賛してなければ尊敬でもない。酒の席のおべっかなら、まぁ理解できるが。
発言者がAさんに執着してなければ自発でもない。
だとすると、受け身ということになる。
改めて気にしてみよう。
主語は誰か、と。
Aさん自身が自分を人気者だと発言しているはずがない。
だからAさんではなく、Aさん以外の誰かだ。
特定の誰かであれば、「BさんはAさんが人気者だと言っていた」といえば済む話。
「思われる」などと濁す理由はない。
事実や判断材料からの結論であれば、根拠を列挙して「〜と言える」と断言すれば良い。
結局のところ「思っている」のは自分なのだ。
「(私は)Aさんが人気者だと思っている」
これが正しい発言ではなかろうか。
自分の意見に自身がないのか。
「私は〜と思う」と言う言葉をなかなか聞かない。
そもそも、思ったり考えたりしているのは自分であって他人ではない。
責任から逃げるな。私はそう思う。